絶対参照と相対参照
絶対参照、相対参照は聞きなれない単語だと思います。
この2つは、エクセルが数式でセルを参照する方法の呼称です。
セルの参照方法の理解があやふやなまま数式を作成すると
数式を間違えてしまう可能性が高いです。
確実に2つの違いと使い方を覚えましょう。
絶対参照とは
絶対参照とは、指定したセル番地を固定して参照する方法です。
セル番地を固定するので、
数式を他のセルにコピーしたり、切り取りをしたりしても
常に指定した同じセル番地を参照します。
絶対参照の場合、セル番地に$がつきます。
たとえば、A1セルを絶対参照しているときは、
「$A$1」となります。
絶対参照の入力のしかた
1.入力するセルを選択します。
2.セルに「=B3*B9」を入力します。
3.数式の「B9」を選択します。
4.F4キーを1回押すと数式の「B9」が「$B$9」に変更し、絶対参照になります。
5.ENTERキーを押すと、数式が確定します。
絶対参照を含む数式をコピーしてみると
C3セルの数式を下方向にコピーしてみます。
数式のB9セルが絶対参照になっているため、
C4セルにコピーされた数式でも、
B9セルが参照されています。
相対参照とは
相対参照は、参照しているセル番地が数式が含まれているセルとの相対的な位置によって決まっています。
コピーや切り取りで数式の含まれるセルの位置が変わった場合、
それに合わせて数式が参照するセル番地も変わります。
エクセルは相対参照で初期設定されています。
絶対参照のようにF4キーを押して、設定する必要はありません。
しかし、念のため相対参照の動きを画像で確認しておきます。
相対参照の数式をコピーする
1.相対参照の数式を含むセルを選択します。
2.下方向にコピーします。
数式の含まれるセルの位置に合わせて、
数式が参照するセルも移動していることが分かります。
これが相対参照の特徴です。
行番号または列番号のみを絶対参照にする
セル番地のうち行番号あるいは列番号のみを絶対参照にすることができます。
少し複雑に見えますが、考え方はシンプルです。
ゆっくり読んでみてください。
列番号のみを絶対参照にする入力のしかた
A現場の仕入価格の数式を入力し、その式をB現場の仕入価格にコピーします。
1.D4セルを選択します。
2.セルに「=B4*C4」と入力します。
3.数式の「B4」を選択し、F4キーを3回押します。
数式の「B4」が「$B4」に変わります。
これでB列のみが絶対参照となります。
5.ENTERキーを押して、数式を確定します。
6.D4セルのフィルハンドルを下方向にドラッグしてコピーします。
7.D4からD10のセルを範囲指定して、リボンの〔ホーム〕タグの〔コピー〕ボタンをクリックします。
8.F4セルを選択します。
9.リボンの〔ホーム〕タグの〔貼り付け〕ボタンをクリックします。
数式が貼り付きます。
10.F列に貼り付けた数式を見ると、列番号のBは絶対参照のままですが、行番号は変わっていることが分かります。
F4キーを1回押すと絶対参照になりますが、
押す回数によって参照方法が異なります。
参照方法 | 例 | |
F4キー1回 | 絶対参照 | $A$1 |
F4キー2回 | 列が相対参照 行が絶対参照 |
A$1 |
F4キー3回 | 列が絶対参照 行が相対参照 |
$A1 |
F4キー4回 | 相対参照 | A1 |